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活用事例

蛍光浸透探傷試験

浸透探傷試験は、クラック等の表面きずを検出する方法です。鉄、ステンレス、アルミ等の金属だけでなく、木材等の一部の材料を除くほとんどすべての金属・非金属に適用する事ができ、さらに複雑な形状な部位も検査が可能な、用途が広い検査手法です。

蛍光浸透探傷試験とは、蛍光物質が添加された浸透液を使用し、暗所で試験面に紫外線を照射してきずを観察する方法です。観察のためにブラックライトと暗室が必要になりますが、染色浸透探傷に比べて検出感度が高いため、非常に小さなきずも検出することができます。
ただし、ブラックライトが放射する紫外線強度が不足していたり可視光(照度)が多い場合は、きずを見逃してしまう可能性があります。このため、日本工業規格(JIS)では、ブラックライトの強度等の観察条件について規定しており、適切な検査を行うために、これらの規格の要求を満たすブラックライトを使用する必要があります。
ここでは、JIS Z 2343-1(非破壊試験-浸透探傷試験-第1部:一般通則) が規定する紫外線強度等の観察条件を説明します。

JIS Z 2343-1 非破壊試験-浸透探傷試験-第1部:一般通則

JIS Z 2343-1(非破壊試験-浸透探傷試験-第1部:一般通則)は、次の10の項目から構成されています。

  1. 適用範囲
  2. 引用規格
  3. 用語および定義
  4. 安全上の予防措置
  5. 一般事項
  6. 探傷剤の組み合わせ、感度および分類
  7. 探傷剤と試験体の適合性
  8. 試験手順
  9. 試験報告書および様式
  10. 浸透指示模様およびきずの分類

以下では、JIS Z 2343-1 (非破壊試験-浸透探傷試験-第1部:一般通則)のブラックライトに関連する8.5(余剰浸透液の除去)および8.7(観察)について、簡単に説明します。

8.5 余剰浸透液の除去

浸透液を適切に試験体に浸透させたあとに、表面に付着している余分な浸透液(余剰浸透液)を除去する必要があります。余剰浸透液の除去処理中は、試験面に残留している浸透液の程度を、A領域紫外線照射のもとで確認しなければなりません。験面面におけるA領域紫外線の放射照度は、1W/m²(100μW/cm²)以上、試験面における照度は100Luxを超えてはいけません。

  紫外線強度 照度
余剰浸透液の除去時 100μW/cm²(1W/m²)以上 100Lux未満

8.7 観察

観察条件は、JIS Z 2323によらなければならないと記載されています。

蛍光浸透探傷試験

試験時の試験面のA領域紫外線強度は、10W/m²(1,000μW/cm²)以上で、かつ照度は20Lux以下でなければいけません。
また、暗い検査場所での観察に目を慣らすために、観察を開始する前に目を順応させる必要があります。順応には、通常少なくとも1分間とる必要があります。

  紫外線強度 照度
試験時 1,000μW/cm²(10W/m²)以上 20Lux以下

染色浸透探傷試験

染色浸透探傷試では、白色灯のもとで目視により観察を行います。観察では、試験面における照度が500Lux以上でなければなりません。

*本ページの情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容について保証するものではありません。詳しくは、JIS Z 2343-1を確認して下さい。