ブラックライトの種類

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ブラックライトの種類

Types of black light

ブラックライトには、紫外線を発生する光源の違いにより、いくつかの種類があります。
ここでは、ブラックライトで使用される主な光源にについて、説明します。

水銀ランプ(水銀灯)

ガラス管内の水銀蒸気中の放電による発光を利用したランプです。放電中の水銀蒸気の圧力が高いものを高圧水銀ランプ、低いものを低圧水銀ランプと呼びます。

高圧水銀ランプは、UV-A領域の紫外線や可視光を発生します。通常、水銀灯とは、高圧水銀ランプを指します。
低圧水銀ランプは、主にUV-B領域の紫外線を多く発生します。殺菌などの分野で使用されています。
通電後、最高強度が得られて安定するまでに、5分以上の時間が必要です。また、ランプや機器を守るために、消灯後に再点灯するまでの時間も開ける必要があります。

メタルハライドランプ(MHL)

高圧水銀ランプと構造は似ていますが、管内に色と効率を改善する為に金属ハロゲン化物を添加しています。

UV-A領域の紫外線や可視光を発生し、省電力で色味の補正された水銀灯として利用されています。小型のランプ形状の割に、通常の水銀ランプに比べて高強度の紫外線を照射することができます。

マイクロディスチャージランプ(MDL)

自動車のヘッドライトに使われるHIDやキセノンライトとも呼ばれている低圧放電ランプで、水銀ランプに比べて低消費電力で高輝度の発光が特徴です。

比較的小型ですが、ランプの構造上、照射面に影の発生する部分が見られることもあります。水銀ランプと違って、通電後比較的早く、最高強度の紫外線を放出することができます。

蛍光灯(FL)

家庭や事務所の照明に利用されている蛍光灯は、低圧水銀放電ランプの放電により発生する紫外線のエネルギーを、ガラス管内壁に塗られた蛍光物質が吸収し、目に見える可視光に変換して放出する原理を利用しています。

蛍光灯型紫外線ランプは、比較的短い波長の紫外線を放射するガラス管が無色透明な物や、必要な波長の紫外線を透過するような物質がガラス管に塗られていており、消灯時には黒色に見える物があります。紫外線強度はあまり強くありませんが、比較的広い範囲に紫外線を照射することができます。

蛍光灯には微量の水銀が含まれています。このため、2023年に開催された水俣条約の第5回締約国会議では、直管蛍光灯の製造と輸出入を2027年末までに禁止することが決定されました。

LED(発光ダイオード)

水銀ランプに比べると消費電力が少なく、ランプ寿命が約5倍とランニングコストに優れています。発生する光の波長幅が狭く放射効率が高く、低発熱・小型・軽量で、さらに水銀などの有害物質も含んでおらず、環境にも優しい光源です。

LEDブラックライトは2010年頃より普及が始まり、現在ではほぼすべての非破壊検査用ブラックライトは、その光源にLEDを使用しています。
当社では、世界最大の工業用ブラックライトメーカーであるSpectro-UV(スペクトロ UV)社のLEDブラックライトを販売しています。ニューヨーク州の工場で製造したブラックライトは、高い品質・性能を要求される航空・宇宙・軍事産業をはじめ、自動車・プラント・鉄鋼など世界中の様々な業界で使用されています。

種類 寸法 重さ 起動
時間
可視光 消費電力 ランプ寿命 その他
LEDブラックライト 小さい 軽い
200~500g
瞬時 少ない 小さい 1万時間以上 ランプが熱くならないため夏でも快適に使用可。
可視光が少ないため、照射対象をより鮮明に確認できる。
水銀灯ブラックライト 大きい 重い
1~5kg
約5分 多い 大きい 1,000~3,000時間 低価格。構造がシンプルなため、故障が少ない。
安定器が必要。