浸透探傷試験は、クラック等の表面きずを検出する方法です。鉄、ステンレス、アルミ等の金属だけでなく、木材等の一部の材料を除くほとんどすべての金属・非金属に適用する事ができ、さらに複雑な形状な部位も検査が可能な、用途が広い検査手法です。
蛍光浸透探傷試験とは、蛍光物質が添加された浸透液を使用し、暗所で試験面に紫外線を照射してきずを観察する方法です。観察のためにブラックライトと暗室が必要になりますが、染色浸透探傷に比べて検出感度が高いため、非常に小さなきずも検出することができます。
ただし、ブラックライトが放射する紫外線強度が不足していたり可視光(照度)が多い場合は、きずを見逃してしまう可能性があります。このため、日本産業規格(JIS)では、ブラックライトの強度等の観察条件について規定しており、適切な検査を行うために、これらの規格の要求を満たすブラックライトを使用する必要があります。
ここでは、JIS Z 2343-1(非破壊試験-浸透探傷試験-第1部:一般通則) が規定する紫外線強度等の観察条件を説明します。